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鏡を見ると、白と茶色が混ざったチャーミングな猫だった。
よし! いける! これで若い女性を悩殺できる!
俺は早速、この格好で街に繰り出した。
血眼で若い女性を探した。すると、とある古そうな家で、ベランダで草取りをしている女性を発見した。
女性は茶髪で黒髪、年は俺と同じくらいか? ハーフっぽい顔立ちでとても美人だった。
俺は猫撫声で女性に近づいた。
「にゃ?あ」
出た声はまさに猫そのものの声だった。
「あー猫ちゃんだー! 可愛い!」
俺の企み通り、女性は俺の体を撫でてくれた。俺は寝すべり撫でられるたびに体を伸ばしたり寝返りをしたりして、目一杯可愛さをアピールした。
「光里、何してるんだい?」
突然、年配の女性が現れた。手には何か菓子袋のようなものを持っていた。
「おばあちゃん! うちに猫が来たの」
「おや?そうかい、可愛いねぇ......」
おばあちゃんは俺を優しく撫でてくれた。くそ、いいところだったのに。
「光里、今日はもう帰っていいよ。わざわざ草むしりに手伝いに来てくれて悪いねぇ。はいこれお礼のお菓子」
「気にしなくていいよ! また来週くるから! またねおばあちゃん、お菓子ありがとう!」
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