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光里という女性は帰ってしまった。なおもおばあちゃんは俺のことを撫でている。
「いやぁ、可愛いねぇ。この年になると寂しくなってね......ちょっと待っててね」
おばあちゃんは家の中に戻った。なんだろう? 俺は気になってそのまま待っていた。
すると、牛乳の入った器を用意してくれた。
「お飲み」
俺はおばあちゃんに言われるがまま牛乳を飲んだ。
おいしい。猫になったせいだろうか。人間の姿の時よりも美味しい気がする。普段、あまり俺は牛乳を飲まない。
「また来たくなったらいつでも遊びに来てね。待ってるから」
おばあちゃんは優しい笑顔でそう言った。
「にゃ?」
猫語で返事をした。俺は牛乳を全部飲んだ後、おばあちゃんの自宅を後にした。
その後はいろいろ移動してみたものの、良さそうな女性は見つからなかった。
人目のないところに移動し、なれない手つきで装置のボタンを押し、俺は人間に戻った。
くそ! 明日こそは。
次の日、俺は公園に赴いた。若い母親集団がいたので、近くに行って色々とアピールしたものの、「わー可愛い!」って言われるだけだったので、早々に諦めた。
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