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「さあ、今日は日曜日よ。いつもの遊園地に行きましょうね」
それは我が家の、休日の決まりきった過ごし方だ。日曜日、もしくは祝日、もしくは長期休みのどこかで、我が家の三兄弟は近所の大きな遊園地に行く。
母親が年間パスというものを買っていたせいだ。何でも、それが安く休日を過ごすのに最も適していたからだという。
それだけではない。お手軽に家族の思い出を増やせる場所。そう母は信じていた。ずっとこう過ごすのが当たり前なのだと――
しかし、それは三兄弟の人生を少しずつ狂わせることであったことに、彼女は気づかない。いつまでも夢の国で満足するものだと、虚飾で彩られた世界で満足するのだと、彼女は信じすぎていた。
「ああ」
自分たちが狂っているのだと、真っ先に気づいたのは、当然だが長男の瑞樹だった。何かがおかしい。でも、みんなが満足しているから我慢しなければ。僕が文句を言っても、お兄ちゃんだからと、窘められるだけだから。
「――お母さん、待ってよ」
次に気づいたのは次男の和樹だ。しかし、真ん中の彼は調和を重んじ、異を唱えることはなかった。いつも微笑んで、母の望む通りに動く。それで十分だと知っていた。
「早く、早く」
そして、自らが狂っていることに全く気づかなかった三男の友樹。あまりに純粋に育ち過ぎたのだ。
これは、ある一家の物語――
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