第12章 光へ

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「ヒカリ・・・俺はやっぱりお前を神さまなんかに渡すなんて納得できない!絶対にいつかお前を迎えに行く!今はまだ辿り着けない距離でもいつか必ず辿り着いてみせる!」 このまま終わりになんてさせない。神様だろうが何だろうが必ずヒカリを取り戻してみせる。 「私もやっぱりあなただけを犠牲になんてできない!ソラがあなたに会えるまで、私がソラを必ず守り通してみせるから!287億光年先でもそんなの関係ない!いつか必ずあなたに会いに行く!」 凪は涙で必死に拭いながら、精一杯の声でヒカリに向かって叫ぶ。 「ソラ、なぎーありがとう。私ね、もう一度あなた達に出会えたら、その時は彼女とか家族とか関係無しにずっと側で生きていたいって思うんだ」 ヒカリはもう涙なのか鼻水なのか分からない程に顔をぐしゃぐしゃにして、嗚咽を立てて泣いている。 「・・・2人のことは私に任せて・・・直ぐに行くから・・・待っててヒカリ」 「凛・・・私ね、あなたの特別な力を信じてるの。もし大切な人が道に迷ったら、その力で照らしてあげて・・・」 凛は小さく、けれど力強く言葉を紡いでいた。そんな凛を微かな光を見るようにヒカリは見つめていた。 「ヒカリ氏ぃ!僕は君とのひと夏の思い出を決して忘れることはない・・・おおおぉ!」 「技術は着実に進歩している。必ず会えるはずです」 「俺の整備した機体なら287億光年なんてあっという間だぜ!安心して待っててくれよな」 「私達はあなたの事を絶対に忘れない・・・必ずラクセイ様研究会の皆で迎えに行くから・・・!」 凛に続くように皆が涙を溢し、嗚咽を抑えながらヒカリに言葉をかけていく。 「うん、ありがとう皆。私皆に会えて良かった、皆との青春を一瞬でも感じられて嬉しかった。今は別れるても、いつか必ずまた皆に会いたい・・・だから・・・」 彼女の言いたいことは分かっている。神の子だからこそ、どうしようもないこともある。ヒカリはいつも他人のことばかり優先するから、最後のその一言を口にすることはない。 だけど、ヒカリの心の奥底の本当の気持ちはきっと助けてと言っている。だから俺は・・・必ず・・・。 「ヒカリ・・・287億光年先で待っててくれ。必ず俺達が追い付いてみせる!!」 「・・・うん!!私、287億光年先で待ってる!!」
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