序章「舞台袖」

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序章「舞台袖」

『7番ハッチ解放。キクジマ隊長、発進どうぞ』 『了解! キクジマ・ソメ、コヴォケー出るぞ!』 <<隊長、本日はどこにお散歩ですか?>> 『おぉぉぉぉぉ!!! ナン・デヤネン!!!』 『続いて8番、9番、13番ハッチ解放。コヴォケー部隊、発進どうぞ』 『ドナイ・ヤネン!!』『ア・ホカ!!』『ナニユー・トンネン!!」 「いやー、みんないい加減もうちょっとこう、上手くならんもんかね」 <<はーん? 言うて君かて、まだまだやで>> 「おっ? アンタこそ言うてくれるやん?」 <<せやかて時々「あれ? なんかおかしない? コクピットにバンザルドムニ入れたん誰?」って思てまうからな>> 「知らんわぁ! 何それ、バンザルドムニ? この世界では有名なん? なんやその生物」 <<いや、生物やのうて観葉植物やけどな>> 「喋れへんやんけ!! バンザルドムニ喋られへんやんけ!! なんでそんなもんと間違えんねん」 <<いや、めっちゃいい匂いすんねんって>> 「えっ、何それちょっと、アンタ……ひょっとしてウチのこと」 <<寝起きのお父さんみたいな匂いすんねん>> 「加齢臭ぅー! それ加齢臭やからな!! ロボットの匂いの好みわからへんわぁー!!」 「…………クククッ……」 <<フフフッ>> 「はっはっはっは! 出撃前から飛ばしとんなァ、ザウィン」 <<君もだエミ、大舞台だが緊張は無いようだな。オーディエンス値も極めて良好だ>> 「いやー、ウチは心臓が毛深いことで有名でな」 <<なっ……それは、医療機関の受診を薦めるべきだろうか>> 「アンタ……相変わらずボケにはからっきしやねんな……いや、ボケかぶせとしては優秀なんやろか……? まあええわ、先行するキクジマさんの部隊が展開したら出るんやからな。どや? 今日のお客さんは?」 <<満員御礼、と言ったところだ。有り難い限りだな>> 「そか……せやったら、ドッカンドッカンいかせなアカンわな」 <<ああ、これが我々の最後の晴れ舞台だ>> 「……頼りにしとんで、相方」 <<私こそだ、エミ>> 「さーて、そしたら今日も、爆笑のライブと行こかぁ!!」
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