0人が本棚に入れています
本棚に追加
序章「舞台袖」
『7番ハッチ解放。キクジマ隊長、発進どうぞ』
『了解! キクジマ・ソメ、コヴォケー出るぞ!』
<<隊長、本日はどこにお散歩ですか?>>
『おぉぉぉぉぉ!!! ナン・デヤネン!!!』
『続いて8番、9番、13番ハッチ解放。コヴォケー部隊、発進どうぞ』
『ドナイ・ヤネン!!』『ア・ホカ!!』『ナニユー・トンネン!!」
「いやー、みんないい加減もうちょっとこう、上手くならんもんかね」
<<はーん? 言うて君かて、まだまだやで>>
「おっ? アンタこそ言うてくれるやん?」
<<せやかて時々「あれ? なんかおかしない? コクピットにバンザルドムニ入れたん誰?」って思てまうからな>>
「知らんわぁ! 何それ、バンザルドムニ? この世界では有名なん? なんやその生物」
<<いや、生物やのうて観葉植物やけどな>>
「喋れへんやんけ!! バンザルドムニ喋られへんやんけ!! なんでそんなもんと間違えんねん」
<<いや、めっちゃいい匂いすんねんって>>
「えっ、何それちょっと、アンタ……ひょっとしてウチのこと」
<<寝起きのお父さんみたいな匂いすんねん>>
「加齢臭ぅー! それ加齢臭やからな!! ロボットの匂いの好みわからへんわぁー!!」
「…………クククッ……」
<<フフフッ>>
「はっはっはっは! 出撃前から飛ばしとんなァ、ザウィン」
<<君もだエミ、大舞台だが緊張は無いようだな。オーディエンス値も極めて良好だ>>
「いやー、ウチは心臓が毛深いことで有名でな」
<<なっ……それは、医療機関の受診を薦めるべきだろうか>>
「アンタ……相変わらずボケにはからっきしやねんな……いや、ボケかぶせとしては優秀なんやろか……? まあええわ、先行するキクジマさんの部隊が展開したら出るんやからな。どや? 今日のお客さんは?」
<<満員御礼、と言ったところだ。有り難い限りだな>>
「そか……せやったら、ドッカンドッカンいかせなアカンわな」
<<ああ、これが我々の最後の晴れ舞台だ>>
「……頼りにしとんで、相方」
<<私こそだ、エミ>>
「さーて、そしたら今日も、爆笑のライブと行こかぁ!!」
最初のコメントを投稿しよう!