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「え?」
<<割と見通しの良い道路やからな。なんとかブレーキ間に合ったんやな、運転手さんお手柄や……>>
「無事?」
<<せやで?>>
「あの、一個いい?」
<<なんや?>>
「このタイミングで転生せぇへんのかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!!!!!!!!」
笑美の、その日一番のツッコミが響き渡る。
幻聴は、その日一番のイケボで呟いた。
<<ようやく、足りた>>
その声が笑美に届くと、途端に彼女の身体が光りはじめた。
「え? え? 何これ? ウチ光っとる!?」
<<キミの意思を無視することを、本当にすまないと思う>>
「え、なん、なんで今なん、さっきめっちゃそれっぽいとこあったやん」
光は少しずつ弾け、その光に削られるように笑美の身体が薄くなっていく。
<<あ、やっぱり期待しとった? んもー、この異世界転生世代っ>>
「うっさいわボケぇぇぇぇぇぇ!!!!!」
絶叫とともに、彼女は、消え去った。
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