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<<私は誰やぁ!>>
間髪入れずに笑美の口調を真似た謎の声が返す。
「こっちが聞いとんねん! ウチは都島笑美や、いい加減そっちも名乗りぃや!」
<<いやー、わからんで、自分が自分である証明なんて、キミは本当にキミなんか?>>
「えっ、なんか急に難しいこと言い出しよった……」
<<白身なんちゃうか?>>
「卵みたいに割ったろかこいつ」
ピッ
「ん? 何の音?」
唐突な電子音が耳に届き、笑美は周りを見回す。
「あっ、なんか光っとる」
視界の隅、右手の辺りで小さくランプが光っている。その光はまだ弱く、部屋の全景を照らすには物足りなかったが、手元くらいは目を凝らせばわかる程度。
「んーーー??? なんや、めちゃめちゃ機械ない? ここ」
<<当然だ、私の中だからな>>
「中ァ?」
謎イケボの返答にほとんど用を成していない目を白黒させる。
<<ふむ、もうひとボケといったところか……>>
「え、ちょ、何々、ひとボケとか言うた?」
<<言うてないで、何時ボクが言うたか言うてみい。何時何分何秒地球が何回回った時ですかぁ?>>
「小学生か!!」
ピッ
ピピッ
「おわっ!?」
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