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「で……できるんやったら……最初からやれやボケェーーー!!!」
絞り出すようにツッコむと、ふっと身体が軽くなる。シートに押し付けられる感覚が消え、揺れはバスに乗った程度に治まった。
「はぁ……はぁ……ホンマぶっ壊したろかこのポンコツ……」
息を整え、改めて周囲を見回す。
天井は高いが壁は先程確認した通り意外と近く、その一面に何かしらの計器のようなものが見える。
足元には先程海外産の電化製品の説明書のような誤植を映し出した楕円形のモニタ。今の所は何も映さずにぼうっと光っているだけだ。
そしてその奥、視界の大半を占めるのはおそらくガラスではなく周囲を映す大型スクリーンだろう。たまに小さくノイズが走っている。今は雲と青い空だけが映り、このロボットが空を飛んでいるのだと言うことを思い知らせてくる。
スクリーンの端には先程立ち上がった脚と、何かしらのビーム的な物を撃ったであろう左腕、そして大型のライフルを持った右腕が見える。
こうなると笑美も、自分が巨大なロボットのコクピットに居るのだと嫌でも自覚するしか無かった。
「はぁ……で、アレか、ここがアンタの言ってた、なんやっけ、別の世界」
<<ああ、『マ=ガオ』だ。キミのいた世界からは位相の違う世界になる>>
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