爆笑戦機 ザウィン

第二話「発進！ 笑いの機神」

<<ここからでは私の全景が見えないと思ってな>>
「全景？」
<<せや、ほら、これがボクのカッコイイボディやで>>
　眼下の楕円形のサブモニターに、パッと一枚の画像が表示される。
　そこに写っているのは白を基調としたトリコロールカラーの機体。
　ぶっちゃけどう見てもアレである。
「ダメやからな！　お前コレ、ウチでもわかる絶対アカンやつやからな！？」

<<オーディエンス上昇、LE生成……充填85％、LEビットソーサー「TT」使用可能、発射！>>
　ザウィンのアナウンスが響いたかと思うと、笑美の背中の方から駆動音、そして何かが外れるような音がして、次に耳をつんざくような回転音が聞こえてくる。
「うるっさ！？　なんやこれ！　ギュイギュイ言うとるの！」
<<ここはギュイギュイ山だからね>>
「日本昔ばなしちゃうんやぞぉぉぉ！！」
　スクリーンには高速回転しながら球体に向けて飛んでいく2つの腹筋ローラーのような物体、しかしその回転部分はオレンジに光る鋭利な刃物という物騒なものが見える。球体はその空飛ぶノコギリ腹筋ローラーを避けるように動くが、ローラーはそれを追尾する。
　2つのローラーの動きにはついて行けないのか、徐々に球体はその回転に触れ、削られていく。