0人が本棚に入れています
本棚に追加
<<せや、せっかくやから顔も見てもらおな>>
能天気にボケの前フリをしてくるザウィンに、笑美はピンとくる。
さっき明らかに何ダムだったのだから、次も当然マズいのが出てくるという直感が働いた。それこそニュータイプのように。
「アレはダメやぞ、V字のアンテナが赤いとこから生えてるのだけは絶対だめやぞ!!」
<<んなわけあるかい、ほれこれ>>
パッ、とサブモニターが切り替わる。
そこには流石にガン何とかとは意匠が違うメカの顔がある。スマートでシャープであるが、正面から見るとそこそこ強面と言えるかもしれない。だが注目すべきはそんなところではない。
しかし、その頭には「LOVE?UNDAM」の鉢巻、そしてそこに二本のサイリウムが刺してある。ご丁寧にV字で。
「出来損ないのコスプレやないかい!! ファンか! アレのただのファンか!!」
笑美の叫びに呼応するように、周り中の計器の針が、メーターが、数字が振り切れる。
<<LE充填最大、全武装使用可能、最大戦速!>>
「のわぁぁぁ!」
迷うことのない急加速、そして黒い球体への接近、からの、その勢いを止めることのない膝蹴りが入る。
最初のコメントを投稿しよう!