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発射した突起ミサイルを追って落下してくる球体改め、真っ黒なモヤッとボールとの距離がいよいよ縮まる。
しかしザウィンはそれを待つこと無く、自らもバーニアを噴射して空へと昇る。
相乗される互いの推進速度により、接触までは一瞬。
<<終わりだ! そして>>
激突の寸前、腕をクロスし、刃がふれた瞬間に切り開く。
十文字にぶった切り、そのまま天へと切り抜ける!
<<反撃の始まりだ>>
4つに分割され、閃光と共に爆散するトゲ玉。
それを後部カメラで映したまま、勢いよく雲の上に出るザウィン。
雲海を見下ろし、見得を切るように一度両手のビームサーベルを振ると、オレンジ色の粒子が辺りに散って、キラキラと輝いて消える。
「あのー、もしもーし、ロボットの人ー」
<<ザウィンだ、形式番号M-01。まあ呼称はエミに任せる>>
「いや、そうやなくて、そんじゃザウィン」
<<なんだろうか?>>
「向こうからなんか来とるんやけど」
雲海の彼方、スクリーンに小さく映るそれを指差しながら笑美は尋ねる。
<<ああ、『彼ら』も気づいたようだな>>
太陽を背にした影が、ボケるロボとツッコム少女めがけて近づいてくるのが見えた。
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