第三話「遭遇! 残念部隊」

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「まず、この世界では200年前に『絶笑戦争』という大きな戦いがありました。これは貴方が先程戦った『無情生物』アパシーとこの世界『マ=ガオ』に生きる人間の戦いです。戦争自体は5年とかからず集結し、人類の勝利に終わりましたが、被害は甚大。この世界は多くの物を失いました」 「あー、まずそこや、ええとそのアパシーっていうのは何なん?」 「……わかりません」 「わからんのかい!」  思わずツッコみをしてしまう笑美。ずいぶんと久々である。 「え……ああ、申し訳ない。分かっていることも多いが分からないことのほうが多いのです」  一瞬きょとんとした顔で止まったノボウスは気を取り直すようにそう告げる。 「まずアパシーというのは通称というか、我々の先祖がつけた呼称ですね。無情生物というのも同じです。とにかく何処からともなくやってきて、人間を滅ぼそうとする化け物、という認識です。何故『無情』なのかといえば、もちろんその破壊性もあるのですが……ご覧になりましたよね、あのフォルム」 「あー、なんやろ、まるっこいとこに鼻がついてる変な顔っちゅーか」     
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