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「そうですね。なので位相だけズラすと、少なくともこの『マ=ガオ』と近い歴史、生態系を辿った場所が見つかるというわけです」
笑美はなんとなく分かってきた顔をしてみせるがその実まだ導入ということでめまいが止まらない。手元のコーヒーはもう空だが、手持ち無沙汰でカップを持ちあげてみると、それに気づいたキクジマがお代わりを頼んでくれた。
「それで、アパシーの話に戻るのですが、この生物には物理兵器がほぼ効かないのです。一時的にその体を削る事はできますが消滅させることはできません。絶笑戦争の序盤はただただその質量で押し返していたようですが当然それでは限界がある。そこで他の位相でアパシーを倒しうる何かを探すためにフェーズスコープは作られました」
「えっ、でも200年前やとうちの世界はええと、多分江戸時代? やで……この世界なんて比べ物にならんくらいショボいはずやで」
「そこは別にもっとずっと早く文明が発達した位相を発見したのです。そこにはLE、ラフターエナジーと言われるエネルギーが存在していたのです」
「あっそれザウィンがめっちゃ連呼してた」
「LEは人間の『笑い』をエネルギーに転換したものです。これがアパシーの構成物質に対して致命的なダメージを与えることがわかりました。ただ。いくつもの問題がありました」
「問題?」
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