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「戦場において、笑うというはあまりに難しいのです。そのエネルギーを発生させることができない」
「あー、そうやな……いつ死ぬかわからんところで笑えるかって言われたら、普通は無理やな」
「そこで次の課題です。フェーズスコープによって『効率的に笑いを生み出している世界』を探し出しました。それがおそらく都島さん、貴方の世界です」
「ウチの?」
「おそらくですが、貴方がM-01、ザウィンでしたか、あの機体に転移させられたというのはそういうことなのでしょう。貴方の世界、貴方の時代が最も『笑いが効率的に生まれる世界』だったのだと思います。少なくともあの機体が動いた以上、M-01にとってはそうなのでしょう」
「はぁ、でも200年も昔からのぞき見しとるんやったら……」
落語とかも含め、笑わすための技術はもっと昔からあったはずだ、と言おうとして考え込む。テレビもネットもあり、笑いが多様化し、誰もがそれを見れる時代に生きていることに改めて気づいた。少なくとも差し当たって戦争や飢餓や文化的な理由で生活が脅かされずに生きている身としてはなかなか自覚できないことではあったが、確かに「笑う」という行為の容易さにおいて、自分の生きる世界はとても幸せなのだと笑美は思い至った。
「あの、なにか」
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