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「え……例えばウチが『これコーヒーやのうて墨汁やろ!』とか言ったら?」
「え!? そうなのですか!? どういう手違いだ……すぐに替えさせます! 大丈夫ですか、お飲みになっては」
「アカン……完全に理解したわ」
「キクジマ、すぐに」
「待て待て待て待てぇい!!」
「はい?」
「ええと、今のが冗談というか、まあウソやからそんな大事にせんとって!」
「ウソ……我々に虚偽を行ったという事ですか?」
「いや、えっと、困ったなコレ。ちょっと聞くけど、アンタらにとってウソってどんなんなん?」
「悪意ある偽り……ですね」
「あー……ウチの荒唐無稽な話を疑いもせず聞いとると思ったら……あー、そういう、あー……」
笑美は頭を抱える。つまりこの世界の人間にはジョークを理解する能力が欠如しているのだ。そんな世界の人間が地球のお笑いを参考にして、笑いのエネルギーを使おうとした。
「なんでやねん……」
ぼそっと呟いた言葉を、ノボウスは聞き逃さなかった。
「おお、『コード』……やはり」
「はぇ?コード?」
「その『ナン=デヤネン』です。我々はそれで絶笑戦争を終わらせたのだと伝えられています」
「ん? んん???」
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