第一話「転臨! ツッコミ(美)少女」

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 さて、しかして異変はすぐに訪れた。笑美が学校に行こうと家から外に出た瞬間からそれは始まった。それもずいぶんと唐突で不躾で、フランクな感じで。 <<何時くらいやったらこっち来れる?>> 「はぁ!?」  突然かけられた声に、笑美は目を白黒させて辺りを見回す。が、声の主は何処にもいない。ただし、その主には心当たりがあった。夢の中のイケボである。 「いや、いやいやいやいや」  首をぶんぶんと振ると、まだ残暑が完全には抜けきらい9月の朝の生ぬるい空気が顔を撫でる。せめてこれが真冬でもあれば消えたかもしれないが、この程度の刺激で消えるほど <<いや、せやから何時くらいやったら来れるかって聞いとんねん>> この幻聴は大人しくはなかった。 「友達の家ちゃうんやぞ!?」  さすがのツッコミモンスター笑美と言えどこの状況では、さすがにこの程度のツッコミが限界である。 「あのなぁ……なんか知らんけど、ウチはそんなん行かへんからな、朝から何度言わすねん」 <<でも自分ヒマやろ……彼氏もおらんし、友達とのカラオケもパスしとったやん>>     
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