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何も変わらないまま、ただ時間だけが過ぎていった。
気づけば十二月に入り、街は華やかさを増していく中、奏多の胸の内はどんよりしてまま晴れることがない。
あれから、ほとんどピアノを弾かなくなった。音楽教室でも家でも、周囲が不審に思わない程度の最低限しか弾いていない。まるで、弾くことが義務のような日々。
どんな時でも、ピアノを前にすると自分自身がピアノの一部になったかのように、音と一つになれた。それなのに、今はそれができない。どんな曲を弾こうと、心は中に浮いたままで虚ろだ。
これでいいんだ。
何度も自分に言い聞かせているが、一向に心が受け入れてくれない。
自らの意思で慶一の想いを断り、離れた。その慶一も、自分から離れ、先に進もうとしている。当然の流れだ。慶一の真剣な告白に正面からNOを突きつけておいて、それでも自分を想い続けてくれるなんて、そんな虫のいい話があるはずがない。
これでいいんだ。いつかきっと自分も忘れる。
そう思い、何度も吹っ切ろうとするのにできない。未練がましくてみっともない。情けない。最低だ。
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