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このままではきっと、幼なじみとしてですら、いられなくなる。
だからこそ沙羅と距離を取りたかったし、そのことは何度も話をしたつもりなのだが……沙羅は変わらず、和希の後を追うことをやめなかった。
理由は和希にもわかっている。
けれどそれをどうこう指摘されたくないうえ、首を突っ込んでも欲しくない和希としては、沙羅に冷たく当たることしか出来ない。
お前に指摘されなくても、俺がおかしいのは、よくよく解っているんだよ。解ってやっているんだよ。けど自分では止められないし、止めるつもりもないんだよ。
だから俺のことはほっといてくれ。
そう思いつつも、和希は一言も言葉を発することをしなかった。が、そこは阿吽の呼吸なのだろう、三たび歩き出した和希の後を沙羅がついてくることはなかった。
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