第1章 警察への憧れから地獄の日々へ。

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当然、「撃ってみろや!!」という犯人もいる。だが「じゃあ、お構いなく。」とはならない。次は威嚇射撃だ。上空に向けて1発発砲する。「次は容赦しない。ためらわず撃つ」という最後通告だ。それでも抵抗した場合、初めて人体に向けて発砲できるが頭や心臓などの急所以外、すなわち足や腕などを狙わなくてはいけないといろいろと面倒臭い。  ここだけでも面倒臭いが、拳銃を発砲した後、発砲までに至った報告書を書き、監察官の聴取を受け適正か否か判断される。適正と判断されればよくニュースで見る監察官が記者に向けて「拳銃の使用は適正であり、問題はない。」という一幕になるのである。たま~に「俺、拳銃を撃ちたくて警察に入った。」というアホがいるが、そういう人間に限って辞めていく。  ちなみに俺は警察学校の訓練以外では撃ったことがない。じゃあ、なんでこんなに詳しいのかというと警察学校習ったのもあるが、父が出てくる。俺が中学生のある日の夜。刑事ドラマの再放送を父とみていた時、サングラスをかけてヘリからショットガンを犯人に向けて乱射する刑事向かって、父がビールを飲みながら「ケっ。めちゃくちゃなドラマ作りやがって。いいか直樹。銃を撃つっていうのはなぁ・・・。」と話し始め前述の話に繋がっていくのである。今思うと父の影響というものは恐ろしい。     
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