第1章 警察への憧れから地獄の日々へ。

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サッカーの試合後、歓喜に沸くファンを言葉巧みに誘導した”DJポリス”も機動隊員だ。彼の場合は広報班という誘導のプロの集まりだ。ちなみに俺は雑踏警備(ざっとうけいび)を担当した。悔しいがさっきの楯をもってヘルメットを被ったやつである。政策に反対する集団のデモ行進の監視などを行った。こういう奴らからは機動隊は嫌われている。ある現場に出動したとき。規制線に入ろうとしたやつに「ここから先はは入るんじゃない」と言ったら「何だとこの若造がぁ!!」と殴り掛かってきた。すぐさま楯で防ぎ、そいつはこけた。すぐに同僚隊員が駆け付け「てめぇ、何してるんだコラぁ!。」と引きずられフェイドアウト。余談だが機動隊員はガチガチに身を固める一方でよほどのドンパチがない限り拳銃、警棒は持てない。せいぜい手錠を持っていくだけだ。機動隊にとっての武器はジュラルミン楯と自分の肉体なのである。
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