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喫茶店から始まる日常
初夏の麗らかな昼下がり、俺は友の案内で謎の喫茶店に連れてこられた。出されたコーヒーをおとなしく飲みながら何故か俺を差し置いて行われる友と常連客の話に耳を傾ける。
「だからさー爺さん、俺凄い疑問なんだよ。過程がどうあれ、人って結局死ぬだけだろ?なのになんで頑張らないといけない、遊べばいいじゃないか。それじゃ暮らせないっていうけど体壊してまで働く必要ないよね。大体……」
「若者よ、それはな」
友の話を途中で遮り、真っ白で豊富なあごひげをしごきながら常連客らしき爺さんは静かに口を開く。
「考え過ぎというものだ」
……相変わらず答えの意味がよくわからない。そのくせ、友……もといシンジの奴はしたり顔でフムフムと頷いているのだから腹が立つ。俺は黙ってまたコーヒーを飲み込んだ。
どうもこの二人はどこかピントのボケたこの会話そのものを楽しんでいるようなフシがある。しかもそれでどうやら俺をからかっている様なのだからタチが悪い。
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