スズキという男の日常

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「うわっ!いつの間に…」 先ほどまで俺とタガヤの二人だけだったはずなのに、コイツがスズキを呼んだかと思えばスズキがそこにいた。 スズキはいつものチャラそうな格好に鉄面皮ともいえる仏頂面で、これまたいつ作ったのか分からないレポートを持っている。 「ふははははは!一流の探偵には一流の助手が付き物、そして一流とは時と場所を選ばないのだよ」 正直一流なのは助手だけだと思うが、その一流が強い意志を持って此方の目をまっすぐ見てくるものだから口に出すことはできない…… ……コイツ、やはり客を満足させることにかけてはプロだ。流石不満があったら全額返却を掲げているだけはある。 「話を戻しますね、今回の傷害事件の被害者は3人 一人目は生体パーツ屋の店主『桃ノ木』氏、重症ですが、彼はすでにメイジ製作所(有)に搬送済みなので大事には至らないでしょう。 二人目は〇×高校の生徒である『トネリコ』氏、擦り傷程度の軽傷ですが念のためイヌマキ医院に搬送済みです。 三人目は言わずもがなここにいる『東』氏、被害はありませんので未遂です。」 「ふん、感謝するんだなヒガシ、お前は吾輩のおかげで無傷でいるのだからな、それで犯人は…」     
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