プレゼントは、貴女がいい

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 その言い方やもじもじと恥ずかしがる仕草が愛おしくて……衝動に任せて、腰と背中に手を回し、そのまま口づけた。 「んん……!」  美沙子さんは最初驚いていたが、すぐにふっと力を抜いて口づけを受け入れた。唇の柔らかさを堪能してから、ゆっくりと話していく。 「あのさ、美沙子さん」 「な、何瀬戸くん?」 「その、『瀬戸くん』って言うのやめてよ」 「え……? で、でも瀬戸くんは瀬戸くんだし……」 「さっき、『和樹くん』呼んでたじゃん。それで呼んで?」 「で、でも……」 「おねがい。プレゼントだと思って、さ」  俺の腕の中でもじもじとしている美沙子さんは、少し経ってから小さく『和樹くん』と呟いた。そのイチゴみたいに赤くなった頬に触れ、上を向かせる。美沙子さんの目が、潤んでキラキラと光っている。その瞳の中に、嬉しそうに笑う俺がいた。  そのまま、今彼女に呼ばれた名前ごと、唇を塞ぐ。ケーキも何も食べていないのに、美沙子さんは甘かった。
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