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このアシスタントである三山さんと組ませて……い、いやらしい事をさせようとするのだ。保健室の先生と生徒という設定から始まり、人妻と宅配便屋さん、上司と部下……桐生先生に付き合わされたプレイは、そろそろ両手で足りなくなるくらいだ。呼び出されるたびに毎回断ってはいるのだけど、桐生先生の土下座と。
「このままだと原稿落としちゃうかもなぁ~いいのかな~」
と言う脅しに根負けして、いつも不本意ながら三山さんに抱かれる羽目になっていた。三山さんもそのために呼ばれたと分かっているせいか、この桐生先生の仕事場に来るときはばっちり衣装でキメてくるのが腹立つ。今回は、サラリーマンが着ているようなグレーのスーツだった。
桐生先生は、クローゼットから私の衣装を選び始める。いそいそと取り出したのは、ブレザーとブラウス、赤いリボンに赤いチェックのスカート。どこにでもいそうな女子高生の制服だった。私にそれを押し付けて、そのまま廊下に私を出してしまう。着替えるのは、いつもここだった。
私は否応なしに、その制服に身を包む。スカートの丈が異様に短い事だけが気になる。私はもう何度目か分からない溜息を吐いて、コンコンとドアをノックした。ドアの向こうからは、ガサガサという何かを動かす音と「どうぞー」という朗らかな桐生先生の声だった。
「失礼します……」
「あら、似合うじゃない」
「褒められてもうれしくありません!」
私が頬を膨らませて怒ると、桐生先生はどこか楽しそうに笑う。
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