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「違わないだろ? さっきから、甘い香りがするけど?」
吊革を握っていた私の手からそっと離れ、腕から脇を撫でていく三山さんの手は……すぐに私の震える胸にたどり着いた。ブラウスの上から胸をそっと触れて、大きく揉み始めるので、私はそれから逃れるように体を捩った。
「だぁめ。いい子にして」
「でも、や、やだぁ……」
「怖いの?」
頷くと、三山さんは小さく笑った。
桐生先生の作品のモデルになるたびに、三山さんはその役に入り込んで演じ切ろうとする。手を抜くのは、三山さんの『元・役者』としてのプライドが許さないらしく……そのリアリティがいつだって私を翻弄する。
「でも、感じてきたんじゃない?」
胸に触れていた三山さんの手は、ブラウスのボタンを一つずつ、上から外していった。赤いリボンはそのままで、胸元だけが大きく広げられる。ブラ越しで胸を揉み、その中に眠る乳頭を指でひっかく。ブラの布と敏感になり始めたソコが擦れあうたびに、私の体はビクンと震えた。感じまいと思うたびに、体は快楽に従順になっていく。
三山さんは私の胸の谷間に手を這わせて、その柔らかさを楽しむように触れていた。そして、その谷間の中心にあるブラの金具に手が触れた。
「……フロントホック?」
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