忘却

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忘却

「成る程、警察ね。物騒なもん持ってる筈だ」 「動くな。撃つぞ」 その銃口はしっかりと男を捉えていた 「撃てばいいだろ。いちいち言う必要あるか?」 その挑発通り、銃弾は真っ直ぐに飛び男の肩を貫いた 「最近の警察は気が荒いねえ」 「正直お前はここで殺してもいいと俺は思ってる。が、これでも一応警察だからな…お前にはきっちり法の裁きを受けさせる」 「法の裁きねえ」 少し微笑んで男は返した 「てめえには無理だ。てか、誰も俺を捕まえることは出来ねえ」 男はそう言いながらゆっくりと紘平へ近付いてゆく 「動くなと言った筈だ」 またも銃声が響き、今度は男の足に弾が突き刺さった 「怯えてるねえ。怖いか?俺が」 「…ふざけるなよ」 強がりを見せるが、紘平の額からは汗が滴っていた 「お前に言っておいてやる 俺たちヘキサグラムは、これからまだまだ大勢の人間を殺す お前達警察に、止められるものなら止めてみろ」 挑発的に睨みつけ、男は言い放った 「お前!!」 冷静さを失った紘平は今度はきっちり男の眉間を見据え銃を構えた 「おせえよ」 刹那に クラりと、視界が揺蕩った 脳が揺さぶられるような衝撃が迸り、紘平は気付かぬうちに膝から崩れ落ちた 「そういや自己紹介がまだだったなぁ 俺の名前は【一也】。 今日は気分がいいから、ここらへんで退いてやるよ。お前の頑張りに免じてな」 「待……て…!」 定まらぬ視界の中、必死に一也の姿を追う紘平 「じゃあな……紘平君」 そう言い残し、一也は去って行く そのまま紘平の視界はブラックアウトし意識を失った
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