ヘキサグラム

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ヘキサグラム

ーーー2028年 6月 梅雨は嫌いだ…癖っ毛の僕にとってこの湿気は大敵である こんな日に出掛けようなんて、彼女は一体何を考えているんだ そう思ってると前からその彼女が息を切らして走って来た 「ごめんごめん!急いだんだけどね…」 いや、そこは別にいいんだけど…肩を濡らした彼女を見て僕は少し申し訳無い気持ちになった 「嫌な雨だね…」 全くだよ。まあでも、建物にさえ入って仕舞えば然程気にならないか 「で、今日行く場所って?」 「あっ!うん、図書館なんだけど…」 「…図書館…」 僕は思わず、嗚咽しそうになった あの忘れがたい事件から…早10年が経った 僕はあの日から…その光景、そしてその模様が頭から離れない 今…この街の…いや、日本中の誰もがその模様を知っている それはーーー まるで天災のように 人々に降りかかった 10年前のあの日から…毎日、その模様は置かれていた 六芒星、その中に記された数字 【1】から【6】まであるその六芒星を、人はこう呼んでいる 【ヘキサグラム】とーーー
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