序章 ††球体関節人形††

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気配が近くて、あたしは 慌てて振り向いた… まさかね…ゲオルグはソファーの背もたれに 右手をかけた状態で座っていた 顔も窓の外を見てて 足も組んで…あ、あれ? 足、組ませてたっけ… うう!考えるのやめよっと あたしは洗面所に入って歯を磨き 戸締まりをしっかりとして 部屋の電気を全部消して ちらりとゲオルグに視線を向ける 雷の音は離れたけど 稲光が気になる… ″彼″は窓の外をぼうっと眺めてて まあ、人形だから…あれだけど と、とりあえずもう寝よう… あたしはそそくさとベッドに潜り込む なんか、リビングに存在感 あの人形が…ゲオルグが いるからなのは分かってるけど なかなか落ち着かない… 人形相手に処女を捨てちゃったし ま、まあ…気持ち よかったからいいんだけど… あたしはベッドの中でもぞもぞする ギュッ…ギュッ… 寝室の扉は閉めてるから リビングの様子は分からない… なんか、不気味な足音聞こえるけど 気にしないことにしよっと あたしは無理矢理 目を閉じて何度か寝返りを打つ 明日も朝から仕事だし はやく、寝なくちゃ…! だんだん体が重くなってきて あたしはようやく眠ることが出来…た……
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