いやいやいや!

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サツキ、3歳、わが娘、いやいや期に突入。 私にとって、サツキは、何をやっても可愛い存在から、可愛いけど、若干手強い存在になってきた。 「歯を磨こう」といえば「いやいや」 「ネンネするよ~」といえば「いやいや」 「保育園行くよ~」といえば「いやいや」 何でも「いやいや」特にお風呂はいちばん「いやいや!」。 原因は保育園のプールだ。 今年の夏、プールでサツキは足を滑らせて転んだ。 幸い、芝生の上のビニールプールだったので頭を打つことはなかったけれど 担当の保育士の報告では、鼻で水を少し吸い込んでしまい、かなり泣いたそうだ。 それ以来、サツキは水が嫌いになった。 朝、顔を洗うときでさえ「いやいや」それはもう大泣きだ。 特にお風呂はプールを連想するのでイヤがるようになった。 シャワーも嫌がったが、顔はタオルで綺麗にふいて、シャンプーは 顔が濡れないようにシャンプーハットでしのいだ。 しかし、季節は冬。かなり寒くなってきた。 保育園帰りの道、寒くて体が冷たくなる。 サツキのすべすべほっぺも乾燥してカサカサだ。 温かいお風呂で暖まってほしい。そして、ポカポカになった体のまま寝かせたい。 その方が気持ちいいし、絶対に良く眠れるはずだ。 私はお風呂をわかす。完璧な湯加減。ああ、はやく入りたい。 「サツキー、お風呂入ろう」 「いや!」 サツキは逃げまわる。今日こそ一緒に湯船につかりたい! 「ほら、お風呂でワンワン待ってるよ」 私はお風呂用の犬のビニール人形を持って呼び寄せるが、 「お部屋のワンワンで遊ぶ」 サツキはベッドに座っている犬のぬいぐるみで遊び始めた。 も~、毎日、同じことしているよ、私たち。 進歩ない。ダメ母だな、私……。ため息が漏れる。
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