12/17

0人が本棚に入れています
本棚に追加
/17ページ
 ちーちゃんは幸運の女神かもしれない。私はそう思い始めていた。彼女が来てから毎日が楽しい。ここ数日は両親の喧嘩も鳴りを潜めていた。愁君との距離も、少しずつ縮まっていた。そして愁君の鼻血事件から3日後の土曜日のこと。朝早くにママが私を起こしに来た。大事な話がある、と。ママの声がいつになく真剣な様子だったので、私は得体の知れない不安を感じた。 「大事な話ってなんだろう」 そうちーちゃんに問うと、彼女はごめんねと答えた。「結局変えられなかった」と。
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加