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 とりあえず座んなよ、と大人の私が言う。 「どういうこと?何、この状況は」 促されるまま、私は大人の私の横に座った。 「私も知らない。彼氏に振られ、仕事も好きになれず、ヤケ酒に溺れて寝て起きたらここに」 なんてことだ。28歳の私は、そんなに悲惨な日常を生きているなんて!知りたくないことを教えられてしまった。 「ひどい…。10年後の私って、そんなに酷い人生送ってるの?最悪!」 「私に言わないでよ。私だけの責任じゃないわよ。こんな人生を送ってるのは、あんたが今頑張ってないせいでもある」 「なによ、私のせい?」 「当たり前でしょ。あんたが受験に失敗して適当な大学の適当な学部に進学したからこうなったの。10年前にもっと頑張ってたら、私はこんなんじゃなかったわ」 「そんなこと言われたって…。いや、待って。私、大学落ちるの?」 「そう」 「それで適当な大学の適当な学部に行くの?」 「そう」 そんなのあんまりだ。 「そんな…」 私の人生は明るいと思っていた。9ヵ月後に迫る大学受験には当然合格するはずだったし、来年からは夢の独り暮らしをするはずだった。卒業後は憧れの図書館司書になってるはず。そう思っていたのに…。
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