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 ちーちゃんが10年後に帰る方法を見つけられるまで一緒に暮らす事にしたわけだけど、不思議なことに彼女は私以外の人には見えていないようだった。幽霊みたいなものだろうか。事実、ちーちゃんはお腹も空かないし喉も渇かないらしい。お化粧が落ちなくてラッキーとちーちゃんは言うけれど、そもそもちーちゃんを見れるのは私だけなのだから、お化粧していようとしていまいとあまり関係がない気がする。  私達は、日増しに仲良くなっていった。元は二人で一人なのだから当たり前ではあるが。それでも、ひとりっ子の私は姉が出来たようでとても嬉しかった。嬉しいことがあると嬉々としてそれを話し、悲しいことや悔しいことがあると不満をぶちまけた。その度に、ちーちゃんは知ってるよと言いながら最後まで私の話に付き合ってくれた。これも当然のことだけど、ちーちゃんは私の気持ちや考えをよく理解してくれていた。
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