吾輩という猫である

吾輩

吾輩は吾輩という猫である。
名前が、吾輩なのだ。
路肩であくびをしながら人間たちを見て、ときどきごはんを食べて、不自由なくいきている。
飼い猫ではない、野良猫である。
人間は吾輩に優しい。少し寄っていくとすぐに食べ物をくれ、頭を撫でてくれる。だが吾輩を家に持ち帰ることはない。
吾輩という名前の由来は、口にある。
口の上、鼻の下に黒い、男爵のようなひげの模様がある。偶然ではあるが、本物のひげよりもひげらしい。
今日は天気がいいので吾輩は日向ぼっこをしよう。人間は吾輩に優しい。吾輩がどこにいても叱ったりしない。ちょうどよく日の当たる空き地が近くにある。そこへ行こう。ついたら、一眠りしてからごはんを食べよう。とても日差しが暖かい。
それでは皆さん、おやすみなさい。