空き地のすみ

1/2
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ

空き地のすみ

みなさんご機嫌麗しゅう。月が綺麗な夜である。 先程までの暖かい太陽はとうに沈み、銀色の月が静かに吾輩を照らす。吾輩の瞳がその光を反射して、まるで涙を目にためているようにキラキラとしている。 今度は寒い。この時間では道に人がいない。みんな家に帰っているのだろう。吾輩は暖かいものが欲しいと思った。温めてくれる親切な人はどこかにいないだろうか。昼間はしつこく触ろうとしてくるのに今や人っ子一人いない。 吾輩は仕方なく歩き始める。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!