夢の中

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夢の中

吾輩は1日に何度も夢の中へ行く。暖かい場所や満腹の時、撫でてもらった時など幸せな時には夢の中へ行く。吾輩がうとうとしている時は自慢の立派なひげ模様をふふんと揺らしているようである。 吾輩の夢は誰にも覗くコトができない。吾輩の目が覚めてしまうとそれは途端に消えてしまう。吾輩は夢を見たことすら思い出せない。しかし、その夢が幸せだったことはわかるらしく、吾輩は目が覚めると少し残念そうに揺らしていた尻尾をぱたんと地に降ろす。 今日は塀の上で日向ぼっこをし、ごはんを食べ、撫でてもらった。その都度夢の内容は違っているようだが、吾輩にとってはただの睡眠である。 今日も1日何もしないということを一生懸命に実行しながら生きたなと横にころがった吾輩はまたあくびをし始めた。 さて、また夢の中にでも出かけようかな。 それではみなさん、御機嫌よう。
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