第1章

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隣は高村くんが1人暮らしをしていたまんまになっている。 向こうにも下着や衣類が置いてある筈だ。 シャワーを浴びて、服を取り替えることが出来るし、いつでも泊まれる状態だ。 なにも心配することはないのに… 一度幸せを味わうと、彼を失うことに恐怖さえ感じて、不安で不安で仕方ない。 そんなことあり得ないのに 彼はいっぱい愛をくれてるのに それでも安心できない私は、きっと欲張りなんだ。 貪るように唇を重ねた私に、玄関と言うことも忘れて高村くんは応えてくれる。 崩れそうな私を支えながら、高村くんは時を忘れて愛してくれた。 項垂れた私を彼は浴室へ連れていき、力の入らない私を抱き抱えるように立たせてシャワーで洗ってくれた。 ベッドに横たえられ 優しく髪を撫でられる。 「大丈夫?ごめん、出る前にやり過ぎたね。」 頭をふるふる振った。 「高村くんが触れてくれるのが震えるほど嬉しいの。」 正直な気持ちだ。彼のいない冷たいベッドが悲しくてずっと彼を求めていた。 彼を見た途端、彼を煽ったのは私だ。 少しだけベッドに休んで、気怠い体を起こして出掛ける準備をした。 高村くんはそんな私のために温かい紅茶をいれてくれた。
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