第1章

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家政婦を頼むようになって1ヶ月くらいたった頃 撮影が予定より早く終わって、午後4時に家についた。 久しぶりに早く終わって、休めることが嬉しくて、鼻歌を歌いながら鍵を開けて中に入ると、玄関に見知らぬ女性もののパンプスがあった。 あ、きっと家政婦さんだ リビングへの扉を開けると、洗濯物を畳んでいる見知らぬ女性と目があった。 歳はきっと私より少し上 長い髪をひとつに結び、エプロンをした細身の女性だ。 仕事の手を止め、立ち上がって会釈をした。 「初めまして、家政婦の佐竹美鈴と申します。 お世話になっております。お会いできて光栄です。」 「こちらこそお世話になっています。レイです。 お若いのですね。家事が完璧だから年配の方かなって思ってました。」 「レイさん、凄くおきれいです!写真より実物の方がずっと綺麗です。」 頬を少し染めて私を見てくる女性に親近感が持てた。 「ありがとうございます。貴方のお料理、ホントに美味しいです。いつも感動してるんですよ。」 「学生の頃からお料理習ってたんです。」
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