第1章

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「あの、良かったら、洗濯物もクローゼットに片付けておきましょうか? 勝手に開けたら悪いと思って、いつもベッドに置いてたんです。」 クローゼットの中は高村くんと私の服や下着が入っている。 そこまで人にいじられることに抵抗を感じる。 「あ、ベッドの上でいいです。これは私が片付けます。クローゼットは触らないでください。」 一瞬美鈴さんの表情が変わった気がしたが、目の前にはさっきと同じ笑顔 「かしこまりました。では仕事が終わりましたので私はこれで失礼します。」 「お疲れさまでした。これからもよろしくお願いします。」 私が労うと、彼女は会釈してリビングの方へ消えた。 すれ違い様、ふわりと甘い香水の匂いがした。 後ろ姿を見て、私に似てると思った。 身長も体型もよく似ている。束ねた髪を下ろしたら、きっと後ろ姿はそっくりなんじゃないかな… 暗いところだったら、高村くんは私と間違えるかもしれない。 そう思ったら少しだけ胸がザワザワした。
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