8人が本棚に入れています
本棚に追加
「あの、良かったら、洗濯物もクローゼットに片付けておきましょうか?
勝手に開けたら悪いと思って、いつもベッドに置いてたんです。」
クローゼットの中は高村くんと私の服や下着が入っている。
そこまで人にいじられることに抵抗を感じる。
「あ、ベッドの上でいいです。これは私が片付けます。クローゼットは触らないでください。」
一瞬美鈴さんの表情が変わった気がしたが、目の前にはさっきと同じ笑顔
「かしこまりました。では仕事が終わりましたので私はこれで失礼します。」
「お疲れさまでした。これからもよろしくお願いします。」
私が労うと、彼女は会釈してリビングの方へ消えた。
すれ違い様、ふわりと甘い香水の匂いがした。
後ろ姿を見て、私に似てると思った。
身長も体型もよく似ている。束ねた髪を下ろしたら、きっと後ろ姿はそっくりなんじゃないかな…
暗いところだったら、高村くんは私と間違えるかもしれない。
そう思ったら少しだけ胸がザワザワした。
最初のコメントを投稿しよう!