第1章

3/31
前へ
/31ページ
次へ
「夕貴は俺の腕を取って側にいてくれればいいよ。 俺が挨拶するから何も心配ないよ。」 笑顔でそう言って緊張を隠せない私を安心させてくれる。 黒いドレスで大人の色気を醸し出す玲子さんが壇上に上がり 「本日は優人とレイの結婚披露パーティーにお越しいただいてありがとうございます。 心ばかりではありますが、食事やお酒を取り揃えさせて頂きました。 心行くまでお楽しみください。 優人とレイから一言ご挨拶させていただきます。」 玲子さんに促され 高村くんにエスコートされて二人で壇上に上がる。 緊張で頬がピクピクするのを感じながらも、腕に感じる高村くんの温もりが心強い。 「日頃より格別なご贔屓をいただきましてありがとうございます。 私優人はレイと人生を共にすることとなりました。 楽しいことも辛いことも二人で助け合い、理解しあって乗り越えていく所存です。 来年には家族が一人増える予定です。温かい家庭を二人で作っていきますので、これからもご指導ご鞭撻をいただきますようよろしくお願い致します。」 話終わると会場から拍手が沸き起こった。
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加