第1章

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マイクを持って流暢に挨拶する高村くんは、いつもに増して素敵だ。 惚れ惚れするその横顔を見つめていた。 「れいちゃん、ご挨拶は?」 「花嫁さんの声聞かせてよ。」 会場から声がしてピキーンと背筋が延びた。 「話せる? 無理しなくていいよ。」 心配そうに声をかける高村くん 「ううん、私もちゃんと挨拶したい。」 私も先生の端くれだった。全校生徒の前で話すこともあった。 高村くんに甘えてばかりじゃいけない気がした。 上手に話せなくても、ちゃんと気持ちを伝えたい 高村くんからマイクを受け取り、彼の腕から手を抜いて前を向いた。 「優人の妻のレイです。 出会って6年、離れてる時間が長かったのですが、ずっと二人の気持ちが変わらなかったことは奇跡だと思います。 この奇跡を大事にし、これからも二人で奇跡の続きを作っていきたいと思います。温かい目で見守って頂きますよう、よろしくお願いします。」 挨拶を終えて頭をあげると、盛大な拍手をいただいた。 「夕貴、頑張ったね。上手に話せてたよ。」 頬を緩める彼に笑顔で頷いた。
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