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マイクを持って流暢に挨拶する高村くんは、いつもに増して素敵だ。
惚れ惚れするその横顔を見つめていた。
「れいちゃん、ご挨拶は?」
「花嫁さんの声聞かせてよ。」
会場から声がしてピキーンと背筋が延びた。
「話せる?
無理しなくていいよ。」
心配そうに声をかける高村くん
「ううん、私もちゃんと挨拶したい。」
私も先生の端くれだった。全校生徒の前で話すこともあった。
高村くんに甘えてばかりじゃいけない気がした。
上手に話せなくても、ちゃんと気持ちを伝えたい
高村くんからマイクを受け取り、彼の腕から手を抜いて前を向いた。
「優人の妻のレイです。
出会って6年、離れてる時間が長かったのですが、ずっと二人の気持ちが変わらなかったことは奇跡だと思います。
この奇跡を大事にし、これからも二人で奇跡の続きを作っていきたいと思います。温かい目で見守って頂きますよう、よろしくお願いします。」
挨拶を終えて頭をあげると、盛大な拍手をいただいた。
「夕貴、頑張ったね。上手に話せてたよ。」
頬を緩める彼に笑顔で頷いた。
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