第1章

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挨拶が終わり、高村くんのお得意様に挨拶をして回る。 最初に向かったのは、高村くんの一番大口のスポンサーである、例の令嬢のお父上の所だ。 「社長、いつもお世話になっております。今日はご足労頂いてありがとうございます。」 「優人、おめでとう。マリの婿にできなくて残念だよ。 君にも迷惑をかけたね。」 嫌みの1つ2つ言われたり、怒ったりするのかと内心ビクビクしていた。 屈託のない笑顔を向ける社長は令嬢に似てるけど、性格は全然似ていない。さっぱりした気のいいおじさんって感じだ。 「いえ、もっと早く好きな人がいることをお伝えできてたらと、申し訳なく思っています。」 「こんな素敵なお嬢さんがいたのなら、早く紹介してほしかったよ。 マリには早く諦めるように言っとくな。」 「よろしくお願いします。 早くお伝えしたくても、手に入れるのに時間がかかったものですから…。」 「優人でも手こずる女性がいるんだな。」 驚いた顔を私に向ける社長 高村くんも笑って私を見てくる。
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