8人が本棚に入れています
本棚に追加
挨拶が終わり、高村くんのお得意様に挨拶をして回る。
最初に向かったのは、高村くんの一番大口のスポンサーである、例の令嬢のお父上の所だ。
「社長、いつもお世話になっております。今日はご足労頂いてありがとうございます。」
「優人、おめでとう。マリの婿にできなくて残念だよ。
君にも迷惑をかけたね。」
嫌みの1つ2つ言われたり、怒ったりするのかと内心ビクビクしていた。
屈託のない笑顔を向ける社長は令嬢に似てるけど、性格は全然似ていない。さっぱりした気のいいおじさんって感じだ。
「いえ、もっと早く好きな人がいることをお伝えできてたらと、申し訳なく思っています。」
「こんな素敵なお嬢さんがいたのなら、早く紹介してほしかったよ。
マリには早く諦めるように言っとくな。」
「よろしくお願いします。
早くお伝えしたくても、手に入れるのに時間がかかったものですから…。」
「優人でも手こずる女性がいるんだな。」
驚いた顔を私に向ける社長
高村くんも笑って私を見てくる。
最初のコメントを投稿しよう!