第1章

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結婚披露パーティーから数日後 一ヶ月に1回の検診でマンション近くの産婦人科に高村くんと二人で行くことになっていた。 高村くんの仕事が2時までで、3時には家に帰ってきてくれる。 それまでは一人でお留守番だ。 久々の一人でゆっくりした時間 テレビをBGMに、ソファーの隅に体育座りし、クッションを抱いてその上に顎を乗せる。 いつもの格好で景色を見ながら一人の時間を満喫していると ピンポーン チャイムの音にインターホンを覗いた。 「お花のお届け物です。」 宅配業者の制服を着て、帽子を深く被った人が、大きな透明のケースに入った花束を抱えて立っているのが見えた。 オートロックを解除し、 「どうぞ」 と宅配業者を入れた。 花のプレゼントなんて誰だろう 結婚祝いかな? 思い当たる人が浮かばなくて、 送り主を見れば分かるか なんて思って宅配業者が来るのを待っていた。 ピンポーン
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