2/14
前へ
/48ページ
次へ
†††††  雨ばかりの日が少しずつ減り、近頃、外が眩しい朝が多くなってきた。  宙や星子に連れられ外遊びから戻れば、帽子を脱いだ2人の頭は水でもかぶったようだ。  自分はそうでもないが、手を洗いに連れていけば水遊びが始まり、やめさせようとして結局、自分も似たような事になる。  そして水浸しの洗面台前で、3人まとめて怒られるのが日課になってきた。  そろって床を拭くことも。 「エリックはおとななのになー」 「宙が、やめないから」 「星ちゃんだよ」 「ほしこがいちばんです!」  会話はかみ合わない。  けれどいい。どちらかは聞いていないから、気にしない。  背中によじ登りはじめた星子の足跡も拭く。宙と並んで、星子をぶら下げたまま雑巾を洗う。 「次は、おやつ?」 「アイス!」 「あいす!」 「昼メシだばかやろう」  洗濯機の上からまた怒られた。  大人の形だが星子より小さな彼女は、スタートボタンを踏み、身長の2倍ほどの高さから跳び下りる。  早足で出ていくの後を星子が追いかけ、ぎゃああと声が聞こえて宙と笑う。  そこまでが、おおよそ日課だ。  
/48ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加