2.Do You Want To Know A Secret

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2.Do You Want To Know A Secret

 龍司が電話をしてから少し経つと、警察がパトカーに乗ってやってきた。  めぐみの友達はまだ青白い顔をしていたので、念のため病院で診てもらうことになった。めぐみの友達は警察が乗って来た車に乗り込むと、雑居ビルを後にした。  残された藍子と龍司は、警察にいろいろと質問をされた。  藍子は生まれて初めての警察の尋問に緊張してしまい、上手く答えられなかった。  もちろん、警察に対する緊張もあったが、他人の心の中の声が聞こえることを龍司にバレてしまったことで頭がいっぱいいっぱいだったせいもある。  緊張している藍子の気持ちを知ってか知らずか、警察に対する質問には龍司がほとんど答えた。  龍司はめぐみの友達がどこでどのように監禁されていたのか、入ってきた時に部屋の様子がどんなだったかを事細かに刑事に話した。藍子は龍司がめぐみの友達を発見した時の様子など、まるで今見ているかのように鮮明に記憶していることに驚いた。  しかも、龍司と刑事の会話を聞いていると、二人は顔見知りのようだった。  こんなに記憶力が良くて、しかも刑事と知り合いなんて……。この人は一体何者なんだろう、と藍子は思った。 「――でも、どうしてあの女の子がここにいるってわかったんですかね?」  藍子と龍司にいろいろと訊いてきた年配の刑事は、一通り質問をし終わると、最後に独り言のように呟いた。  刑事の言葉に、藍子は身体を固くした。  刑事の言う通りだ。誰がどう考えたって不思議に思う。  でも、何て答えれば良いのだろうか。さっき龍司に言ったように「心の中で助けを求めていたから」なんて、とてもじゃないけど言えない。  言ったところで信じてもらえないだろうし、うっかり警察に変なことを言ってしまうと、「もしかして監禁に関与していたのでは……」なんて疑いをかけられてしまうかもしれない。
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