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不毛な土地である。
氷点下二十度を下回る極寒の世界には降ったら何時までもそこにあり続ける雪の白と空の色を映す氷の灰色、バイカル湖を取り囲む生命の息吹を感じさせない枯れ木の灰汁色ばかり。
言語が統一されても世界の色合いはそんなに変わっていないように思える。
踏みしめた氷床がザラザラした感触を返すがそこに対話はない。
風が左右からうねりを伴って吹き付け、ヒューヒューと言う音が耳朶を打つがそこに意味は感じられない。
そもそも言語が統一された、というのは実に曖昧で不正確な表現である。
そもそも言語とは個々に訳し得ない歴史と深みを持っているものである。
それが統一されるというのはどうにも理解しがたい。
たしかに、出自を異とする生物間において意思疎通が出来るようになったことは紛れもない事実である。
ペンギンや兎、人間が会話できるようになり、共生関係が構築されたことは、である。
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