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我はしばらく保存食の瓶から酸っぱいピクルスを啄みつつテレビを眺めていたが、人工音ばかりの空間に次第に息苦しくなってきて休憩室を出た。
我は顔だけをテントから出して外を見た。
途端に我は黄昏時を過ぎて暗くなり始めた風景を眺めた。
途端、極寒の吹雪が吹き付けてきた。
ゴ、ゴゴ、と不連続な風の波が耳朶を打つ。
視界は雲と雪で白く覆われている。
晴れている時もバイカル湖の対岸は森から出てくる霧に覆われているから視界の広さは変われど見える風景はあまり変わらない。
長く見てきた此処の自然の表情である。
「なあ、一号」
突如として頭上から降ってきた声に引かれて空を見上げようとしたら嘴が何かに当たった。
所長の顎である。
フードを被った所長が我の真似をしてテントから顔を出していた。
「どうしたの?」(なんであるか?)
「お前はこのテントの中と外の風景の対比をどう思う?」
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