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翻訳機から流れ出る声に辟易して翻訳機のスイッチを切りたくなった頃、無人自動車は人通りの多い商業地区から少ない官庁街に入る。
無人自動車は官庁街を暫く走り、宙域航行管理省の建物の前で止まった。
翻訳機のスイッチを切る。
宙域航行管理省の門の前で、私は管理省の係員の出迎えを受けた。
「ご苦労様です……、長官がお待ちしています……」
私は身長が4メートル以上あり、地球の猫そっくりで直立二足歩行しているコネ星人の後ろに従い、長官室を目指す。
エレベーターに乗り最上階で降りる。
エレベーターから暫く歩いた所でコネ星人の係員が立ち止まり、ドアをノックして部屋の中に声をかけた。
「銀河パトロール隊の方をお連れしました……」
「お通ししなさい……」
部屋の中から返事が返ってきて、係員のコネ星人がドアを開けて私を部屋の中に通す。
部屋の中に通された私の目に最初に映ったのは、正面の豪華なデスクの後ろで恰幅が良いコネ星人が、生まれて間もないトヒを抱きミルクを与えている姿だった。
恰幅の良いコネ星人はデスクの前のソファーを、哺乳瓶を持つ手で指し示しながら声をかけて来る。
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