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「ごめんごめん!
全然気付かなかった...
絵を描き始めると回りが見えなくなっちゃうのは私の悪い癖ね。」
私は苦笑いしながら、椅子から腰を上げた。
「めぐ、珈琲飲むでしょ?」
そう問いかけながらキッチンへと足を進めた。
「うん!飲む!
ついでに甘いものもヨロシクぅ!」
遠慮の欠片もないメグの言葉に
フフッと笑いが込み上がる。
私はやかんに水を入れ、ガスコンロの上に乗せるとカチッと火をつけた。
メグは私の描きかけキャンバスの前に立つと、腕組みをしてジッと絵を眺めている。
「まあ、かよ子が絵に熱中するのはいつものことだからいいけど。
でも戸締まりくらいはしっかりしてよね!
女性の一人暮らしなのに無用心すぎるわよ!
それでなくてもカヨ子は美人なんだから
変な男でも入ってきらどうするの?」
メグはキャンバスを眺めながらも眉間にシワを寄せて問いかけてくる。
ほんと、メグは心配性だなぁ...
メグは昔から引込み思案な私を心配して
色々と世話を焼いてくれているのだ。
これじゃあ、友達というより
妹を心配する姉だ。いや、過保護な父親かな
私は二つ並んだカップにお湯を注ぎながら
苦笑いした。
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