第1章 出会い

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かれこれ40年近く経ってしまった。 久しぶりに『公園』やってきた。 幼い頃、日曜日は父に、普通の日には2つ年下の妹と、家からちょっと遠い運動場設備が整った…なんと土俵まであった…運動公園に遊びに行っていた。 紙芝居のおじさんのお話を水飴を舐めながら聴いていると にゃー というか細い声が聴こえた。 紙芝居が終わって妹と陸上競技場の横の道を歩いていると 二人の高校生の男子が茶色い布袋を蹴ったり投げたりしていた。 『にゃっ』 と、その袋の中から聴こえた。 その袋から漏れた『猫の声』に振り向いた私と妹の姿に気がついたのか、彼らは『布袋』を置いて行ってしまった。 私と妹は、硬い結び目を何とかほどいて中から猫を抱き上げようとした。 最初は怯えて威嚇したりしていた猫も 『助けてくれるらしい』 と思ったのか、妹の腕の中で大人しく抱かれていた。
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