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彼は通称"渡り廊下の湯尾君"。
昼休み、渡り廊下の壁際に設置されている腰掛に座ってお昼ご飯を食べている、手作りお弁当屋のかしわご飯弁当と引き換えに男女関係に関するオネガイを一つ叶えてくれるという噂の持ち主だ。
初恋を実らせたい、とか。
彼氏との関係を進展させたい、とか。
そのオネガイは千差万別。
とにかく彼は大勢の迷える子羊たちを導いてきた。
「あの……駄目ですか?」
瞳を潤ませておどおどと表情を伺う彼女。
当の湯尾君はフリーズしたまんま。
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